2009年 10月 11日
「幸福」は本に書いてある? |
「幸福の方程式」なんて、ちょっとくさいタイトルだと思いつつ、
近頃「幸福」などという言葉でモノゴトを考えたことがなかったが、
サブタイトル「新しい消費のカタチを探る」というのに惹かれて手に取った。
政権が変わり、世の中の人々が動きを控えて、景気の動向をじーっと見ている気配がします。
景気とやらの変動にあまり影響をうけなかったこれまでの私共の仕事にも
プロジェクトの延期が伝えられて、足踏みの毎日です。
TVのニュースを見るに付け、登場する面々の発言を見聞きすると、
ふと、首をかしげたくなることも多いなあ。
価値観がゆるゆる、ちょろちょろ、動き移っていることにお気づきではないらしい。
あとがきにある『経済が成長することでしかわたしたちは幸福になれないのか?』という問いは、いつも問うてきたことです。
GNPでなくGNH(Gross National Happiness)=国民総幸福量を国の政策目標に掲げるブータンの見識など、あきらかに生活の価値観が移っていることを、きれいに整理して見せてくれた一冊でした。
大きな負担を背負う住宅ローンで手に入れた住宅は、出来上がったとたんに中古になり、日々を経る毎に価値を失って、35年を経れば価値はゼロ、なんてことになっているのです。これまでの価値というのは、、、。
設計屋ってそういう建築を造り出すために、知恵と時間とエネルギーを精一杯費やしていてよいのだろうか? それってあまりに、さみしくはないか? と自問してしまいます。
せめて手入れをきちんと続けて行けば、その価値の減衰は緩やかなものになるような、そんな建築を、よく考え、しっかりと作られるものを残したいと思っています。
ちょっと「設計屋宣言!」みたいになってしまいました。(笑)
by k_watarow
| 2009-10-11 14:16
| 日曜日の読書